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ティム・バートン監督作『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』は個性的すぎる人を救う優しいファンタジー【最新シネマ批評】

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【公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかから、おススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

今回ピックアップするのは、ティム・バートン監督の最新作『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』(2017年2月3日公開)です。

ミステリアスでファンタジック、そしてあいかわらずキモカワなテイストでバートンの世界が展開される、素敵な作品です。先日ティム・バートン監督が来日をして、ゴキゲンな記者会見が開かれました。私も出席してきましたので、そのときのお話も入れつつ、映画をご紹介していきましょう。

【物語】

フロリダに住む孤独な高校生、ジェイク(エイサ・バターフィールド)の大好きなおじいちゃんが謎の死をとげてしまう。彼はおじいちゃんの遺言の通りに英国の小さな島へ向かい、古い屋敷を訪れますが、そこでジェイクはミス・ペレグリン(エヴァ・グリーン)と子供たちに出逢います。

子供たちは宙に浮く少女、透明人間少年、後頭部に口がある少女など、全員が普通ではありませんでした。でもジェイクは次第に彼らと心を通わせていき、やがて、この屋敷の秘密を知ってしまうのです。それは「同じ日を毎日繰り返す」というものだったのです。

【バートン監督のキモカワなヴィジュアルがお見事】

日本に熱狂的なファンを持つティム・バートン監督の新作。今回、常連のジョニー・デップは出演しておりませんが、何気にバートン監督のお気に入り女優で、『ダーク・シャドウ』のエヴァ・グリーンが出演しています。

主役は高校生のジェイクですが、この映画の中心部で存在感を放っているのは、ミス・ペレグリンを演じるエヴァ。彼女はグラマラスで濃厚な色気を放つ美人で、一筋縄ではいかない魅力があり、それがミス・ペレグリンにピッタリ。奇妙な子供たちをまとめる毒々しいママのような存在感があります。

屋敷で自分の特殊な力に気付くジェイクは、おそらくバートン監督の分身のような存在かもしれません。記者会見でこう語っていました。

「他とは違うとか変わっているとか言われることは、よくありますよね。そういう人は芸術性があったり、個性が強かったりするけど、実は良い人なんですよ。奇妙な人と言われている人の中身が、実は普通なんだということを伝えたい」

そういえば、ジェイクは変わり者で特殊能力もあるけど、おじいちゃんの死に寂しさを感じたり、誰かの為に頑張ったり、普通に良い子なんですよ。個性的が強い人は誤解されやすいけど「そうじゃないよ、みんなと一緒だよ」と、監督はこの映画を通して、はみだしっ子たちに救いの手を差し伸べているのです。やさしい!

【奇想天外な物語の中に存在するホンモノ】

バートン監督の映画は、現実とはかけ離れた魔法のような世界に誘ってくれる喜びがありますが、実は監督、リアリティにこだわっています。

「この映画はセット撮影とロケにこだわりました。ミス・ペレグリンの屋敷もベルギーに存在するし、かつて映画『シザーハンズ』でロケをしたフロリダにも行きました。その近くでロケしたんだけど、風景が変わっていてビックリ! 家や景色が本物だと、役者もスタッフもそこからインスピレーションを得られるから、いい効果を発揮するんですよ。これは大切なことです」

最近はちょっと変わった映像を見ると「CGでしょ」と思ったりするけど、そうじゃないんですねえ。CGでないと実現できない世界もあるかもしれないけど、本物の手触りを大切にするバートン監督。

「僕自身は技術的なことより、映画における感情に注目しています。主人公の置かれる状況や、そこから生まれるエモーションが重要ですからね」

確かに見る者の感情をふるわせるのは映像ではなく、登場人物の感情。ヴィジュアル系と思われがちな監督だけど、こだわりは心の中にあったのです。

【原作をスケールアップした脚色】

この映画の原作は、アメリカの小説家ランサム・リグズのベストセラー「ハヤブサが守る家」。基本的なストーリーは原作に忠実ですが、映画化にあたって子供たちの奇妙な力がちょっとだけ違ったりします。それはバートン監督いわく、

「原作よりもファンタジックに見えるように変化を加えています。原作は古い写真に着想を得たストーリーなので、静止画像である写真を映画として動かすことはチャレンジだった」。

同じ日が繰り返されるのはなぜか? ちょっとミステリアスな展開にもグイグイ惹きつけられる『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』。ティム・バートンの世界にどっぷりつかってくださいね!

取材・執筆=斎藤 香(c)Pouch

『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』
(2017年2月3日より、TOHOシネマズ日劇ほか、全国ロードショー)
監督:ティム・バートン
出演:エヴァ・グリーン、エイサ・バターフィールド、クリス・オダウド、アリソン・ジャネイ、ルパート・エヴェレット、テレンス・スタンプ、サミュエル・L・ジャクソンほか
(C)2016 Twentieth Century Fox

▼記者会見の様子。左から松井愛莉さん、りんか&あんなさん、ティム・バートン監督

▼映画「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」予告編

ほかにもこんな記事があるよ~っ!

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  1. 映画感想 * FRAGILE

    2017年2月3日 at 21:59

    ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち/異形の愛

    ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたちMiss Peregrine’s Home for Peculiar Children/監督:ティム・バートン/2016年/アメリカ ティム・バートンの「恵まれし子らの学園」 TOHOシネマズ新宿 スクリーン5 G-13で鑑賞。原作は未読です。 タイトルはキャサリン・ダンの「異形の愛」から。これはティム・バートンが映画化権を持っていますが実現はしなさそうです。中見出しは『X-MEN』です。 あらすじ:特殊能力を持つ子どもたちの住む家がありました。 キャストエヴァ・…

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