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【映画批評】スター誕生の瞬間に立ち会える『エルヴィス』! 間違いなくオースティン・バトラーのトリコになる映画です

【最新公開シネマ批評】映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、本音レビューをします。

今回紹介するのは、スーパースターのエルヴィス・プレスリーの伝記映画『エルヴィス』(2022年7月1日公開)です。世界で最も売れたソロ・アーティスト、エルヴィス・プレスリーの裏側を描いた超話題作。まずお伝えしたいのが、エルヴィスを演じたオースティン・バトラーがかっこいいんです〜!

それでは物語から、熱くご紹介していきますっ!

【物語】

エルヴィス(オースティン・バトラーさん)は、黒人移住地域の数少ない白人専用住宅で育ち、少年時代から黒人音楽に傾倒していました。やがて彼は、リズム&ブルースとカントリーミュージックをミックスさせた音楽でステージに立つように。そんなエルヴィスの歌声と腰を振るパフォーマンスはあまりにセクシーで、女性たちを熱狂させていました。

そして、そんな彼をじっと見つめていたのがピーター・パーカー大佐(トム・ハンクスさん)。エルヴィスのスター性に目をつけて、マネージャーとしてエルヴィス・プレスリーを世界的スーパースターに押し上げていきます。

しかし、実はパーカー大佐は危険人物だったのです……。

【ロックの王様であり、元祖アイドルのエルヴィス】

エルヴィス・プレスリーという存在は知っているけど、彼の功績を知らない人は多いと思います。何しろ1950年〜60年代のスーパースターですからね。でも、この映画を見ればエルヴィスが、ロック、アイドル、エンタテイメントショーなど、芸能のさまざまなジャンルのパイオニアだったことわかります。

映画の前半、エルヴィスはステージでエキサイトし腰を振るのですが、その姿を目の当たりにした女子たちはキャーキャーと大騒ぎ! エルヴィスが発するフェロモンが女子たちをとろけさせていくのです。

この女子たちがイケメンに発する黄色い声援「キャー!」は、ここから始まったのでは? とも思いましたよ。

そして演じるオースティン・バトラーの魅力も相まって、スクリーンを通してもその色気はビシバシ伝わってきます。こちらもドキドキしっぱなしです!

彼がいなかったらビートルズもクイーンも生まれなかったと言われていますが、ロックだけでなく元祖アイドルでもあったのだと思います。

【凄腕マネージャーがエルヴィスの才能を食い潰した?】

そんな才能の塊・エルヴィスをスターにしたのは、凄腕マネージャーのパーカー大佐です。エルヴィス・プレスリーは歌の才能も魅せるステージを作り出す才能もあり、かつイケメンでセクシー。スターになる要素を全て兼ね備えた存在でしたが、パーカー大佐がいなかったらここまでビッグにならなかったでしょう。彼はエルヴィスを実にうまくプロデュースしたのです。

しかしパーカー大佐は、ものすごくお金に汚く、強欲。本作には「伝説の裏側の危険な実話」とか「彼を殺したのは誰か」という闇がありそうなキャッチコピーがついていますが、その危険人物こそが、パーカー大佐なのです。

パーカー大佐のやり方は、エルヴィスが「人間」であることを忘れていたのでは? と思うほど。

休みなく働かされれば、体がついていかない。その疲労感を軽減するためにドラッグに走り、体も心も壊れていく。

唯一の癒しは、妻のプリシラ(オリヴィア・デヨングさん)と愛娘の存在でしたが、その妻もエルヴィスとの生活に疲れてしまう……。後半の彼はボロボロで、スクリーンに入っていって助けたくなるほどでした。

【スターの輝きと闇が描かれた傑作】

前半は、ひとりの青年エルヴィスがスターへの階段を上がっていく、キラキラとしたサクセスストーリー。後半は、スターになったエルヴィスの栄光の裏側、苦悩の日々を描いています。

マネージャーに人生を牛耳られ、自分の人生を自分でコントロールできなくなったエルヴィス。その苦しみというは、スターでもなんでもない自分達でも共感できること。圧力で身動きできなくなることは仕事などでもありますからね。

【オースティン・バトラーのトリコに!】

というわけで、エルヴィス・プレスリーのスターとしての魅力と苦しみ抜いた人生に大感動な本作。この映画を成功に導いたのは間違いなく、エルヴィスを演じたオースティン・バトラー! 人生をエルヴィスに捧げたような超熱演!

マネージャーのパーカー大佐を演じた名優トム・ハンクスに全然負けていませんでしたよ。というか、トム・ハンクスを食うほどの素晴らしさでした!

本作の上映時間は159分。その間、オースティンはずーっと輝いていました。歌っているときも、苦しんでいるときも、全部が素敵すぎて、スター誕生の瞬間に立ち会えたような気持ちに。

ちなみに演出は『ムーラン・ルージュ』(2001)、『華麗なるギャツビー』(2013)のバズ・ラーマン監督なので、冒頭からギンギンギラギラでド派手。衣装も美術も映像も華やかで煌びやかで見どころ満載。超おすすめです!

執筆:斎藤 香(c)Pouch
Photo:(C)2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

『エルヴィス』(2022年7月1日公開)
監督・脚本・製作:バズ・ラーマン
出演:オースティン・バトラー、トム・ハンクス、ヘレン・トムソン、リチャード・ロクスバーグ、オリヴィア・デヨング、ヨラ、ジェシカ・デュクレほか

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