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旅先の候補に四万十川の屋形舟を。都会に疲れてしまったら、何もせずただ自然を感じる時間を作って贅沢するのが正解かも


四万十川。名前は聞いたことあったんですが、高知県のどのあたりにあるのかまでは把握しておらず、昨年参加したプレスツアーではじめて訪れました。

屋形舟でゆく四万十川で見たのは、水鳥の姿やアユの姿、信じられないほどの水量を湛える雄大な流れと、それを抱く山々の景色。

これがふとしたときに思い出す、忘れられない体験になったんです。

【まずはアユとご対面】

屋形舟の乗船場所は佐田沈下橋の東側。乗り場に案内されて川に近づくと、座布団が並んだ舟が私たちを出迎えてくれました。

おはじきみたいにきれいな浅瀬には、たくさんのアユの姿が。なかなかお目にかかれない天然のアユにカメラを向けていると、「赤い色してるのは婚姻色なんだよ」と船頭さん。

集まって泳いでいる姿がくっきりと見える、クリアな水辺です。

【圧倒的な水量…これでも少ない!?】

船内に入ると、水面が視線に近くなるからかちょっと怖いくらい。川の水量を実感します。

モーターをオンにして、グイグイと進み始める舟。質量を感じるたっぷりの水を切り裂いていく感触が、舟の中にいても伝わってくる……!

四万十川といえば沈下橋が有名ですが、この日の水面は橋よりずいぶん下にありました。船頭さん曰く「今年は水量がかなり少ない」とのことで、例年だと沈下橋がすっかり水の下に沈んで見えなくなることもあるほどなんですって。

橋の下をくぐり抜けたときに「この橋が沈む水量ってどういうこと?」と呆気にとられてしまいました。

【船頭さんのお話が良すぎる】

また船頭さんのお話がとにかく軽妙なのですが、その中で興味深かったことがひとつ。四万十川が「日本最後の清流」と呼ばれるのは「水が綺麗だから」ではないのだと。

本流に大きなダムがなく本来の川の流れが保たれていること、四国最長の川に手つかずの自然や豊かな生態系がそのまま残っていることが、その理由なのだそう。たしかに、舟に乗っているあいだ沈下橋以外の人工物はほとんど視界に入ってこなかったかも。

ほかにも砂州で休む鳥たちのこと、川漁師としての仕事のこと、地元の人は時速何キロで沈下橋を走行するか、真冬に橋から川へ飛び込んでみたいと言った海外の方の話などなど、とにかく船頭さんの話題が尽きず、ずっと楽しかったです。

【手で触れて感じる四万十川】

そんな船内が静まり返ったのは、「とろ」と呼ばれる流れのゆるやかなところで、船頭さんがモーターを止めたとき。「水に触っていいよ」と言われ、みんな舟の小窓から川面へ手を差し出します。

冷たい水の感触。鳥の鳴く声と、深い山の色。川の水が、エメラルドグリーンのように見えるのがちょっと不思議。な〜んにもしない、ただ山の空気と川の水の冷たさを感じる時間をしばらく堪能しました。

【沈下橋から見た風景】

約50分の遊覧のあと、最後は歩いて沈下橋の上へ。そこから川の流れを見ると、やっぱりこの橋が沈むことが信じられない。それだけ自然っていうのは雄大で、人間の想像など軽々飛び越えてしまうほどで、ここに暮らす人々はそんな自然とともに生きてきたんだなあ。

興奮や感動とはちょっと違う、もっと穏やかで清々しい気持ち。なんだか深く心に残る景色と体験でした。どれほど時間が経ってもまた、この四万十川の景色を懐かしく思い出す日が来るのだと思います。

【乗ってみてわかった良さ】

体験させていただいたのは「屋形舟 さこや」さん。ココだけの話、この体験がとても特別なものとして記憶に残ったのは、軽快な操舵と話術で四万十川の風景や文化を届けてくれた船頭さんの存在も大きかったです。

予約は電話やFAX、Eメールで受け付けているとのこと。料金は大人(中学生以上)2000円、小学生1000円で、2名から運航とのこと。乗ってみてはじめてわかる四万十川の魅力がたくさんあったので、機会があればぜひ。本当におすすめです。

屋形舟 さこや

住所:高知県四万十市佐田沈下橋近く
TEL:090-5147-4023
FAX:0880-35-0656
定休日:不定期

参考リンク:どっぷり高知旅、さこや
執筆・撮影:森本マリ
Photo:(c)Pouch
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